新しい引用体系と,新しい媒体についての情報。明石ゼミでの使用是非は不定だが,文献を読む上で知っておいた方が良い。
古典的な引用体系が抱える困難(ラテン語が衒学風,あるひとつの参照元を辿るために複数の注を往復しなければならない等)を解消するため,20世紀前半に新たな引用体系が相次いで作成された。主な流派として以下の二つがある。
ハーバード体系は,1906年にシカゴ大学から出版されたシカゴ様式手引書 (Chicago Manual of Style, University of Chicago Press, 1906.) を更に簡略化して練られたもの。米国心理学協会体系は,同学会の出版手引書 (APA's Publication Manual, 1930-40?)が定めた基準。
いずれも読み手にとって参照の一覧性に優れるほか,書き手にとってもコンピュータ処理に馴染みやすい体系のため執筆が省力化されるというメリットがある。デメリットとしては,多言語対応が難しいことや,前近代の史料への適用には無理があることだろうか。
これらの体系の特色は,次の点にある。
なお,同一年に同一著者が複数の文献を出している場合には,月が早いものから順に小文字アルファベットを振って識別する。「長門(2006a)」「長門(2006b)」
文献一覧における表記は以下のとおり。
| ハーバード体系 | 米国心理学協会体系 | |
|---|---|---|
| 様式 | 著者姓,著者名イニシャル(出版年)資料タイトル,版,出版社,出版地. | 著者姓,著者名イニシャル.(出版年).資料タイトル,(版.).出版地:出版社. |
| 例 | Brownlie, I (2003) Principles of International Law, 6th ed, Oxford University Press, New York. | Brownlie, I. (2003). Principles of international law, (6th ed.)., New York:Oxford University Press. |
| 相違点 |
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あなたがどちらに従うべきかは,あなたの属する学術コミュニティの慣習や明文規則による。古典的な体系を嗜好する世界もあるし,新体系だが折衷案を採用しているところも多い。明石ゼミは古典派。
電磁媒体やネットワークを情報源とする場合,以下のように記述する。例は Anderson and Poole "Assignment and Thesis Writing" (4th ed) から。
| 媒体の種類 | 様式 | 例 |
|---|---|---|
| ポータブルメディア | 著者.出版年.題名.[媒体の種類].出版者,出版地. | Libby, B. 1994. Australian Walkabout 2. [CD-ROM]. Enville Holdings, Sydney. |
| オンライン雑誌 | 著者.出版年.記事名.雑誌名.巻,号,ページ.[媒体の種類].アクセス方法.[アクセス日付]. | Carter, M. 2000. Integrated electronic health records and patient privacy: Possible benefits but real dangers. Medical Journal of Australia. Vol. 172, No. 2 , 28-30. [Online]. Available: SilverPlatter, AustROM (ERL) [2000, June 6]. |
| Web ページ(特定) | 著者.出版年.ページタイトル.[媒体の種類].アクセス方法.[アクセス日付]. | Microsoft. 2000. Microsoft Office Macintosh Edition. [Online]. Available: http://www.microsoft.com/macoffice/default.htm [2000, June 1] |
| Web サイト(全体) | 著者.出版年.サイト名.[サイト説明].[媒体の種類].アクセス方法.[アクセス日付]. | Microsoft. 2000. Microsoft.com. [Web site of Microsoft]. [Online]. Available: http://www.microsoft.com/ [2000, June 1] |